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叔母にあってきた

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ちょっと見てほしいんや…
昨夜の電話の主は市島町に住む叔母だった。
給湯機のリモコンの警報ランプが消えないとか。数年前に夫に先立たれてからは、ひとりで暮らしている。

気丈な女性だったが老いには抗えない。暮らしの中の些細な異常も不安でたまらなくなるのだろう。

今朝一番で様子を見に行ってきた。
不安だった警告ランプの点灯は、結局は分電盤のブレーカーを入り切りしただけで消えてくれた。
「昨日はこの辺りで雷がひどくてね。怖かったぁ」。
古新聞みたいに色を失くした叔母は、眉をひそめてそう漏らした。

「どこかで落雷があってそれが給湯器に影響したのかもな」。
私もうんうんと大袈裟にうなづきながら説明した。
台所の水切棚には一人分の食器がきっちりと並べられ、叔母の暮らしぶりが伺える。

エアコンで涼を取ること、出かける時は水を携行することを、別れの挨拶に添えて叔母の元を辞去した。

車はすぐにはUターンできず、一旦、家を通り過ぎて、少し先で切り返した。
窓越しに庭先に立って私を見送る叔母の姿があった。
朝とはいえ夏の日盛りは容赦がない。手を振る叔母の姿は私の記憶の中で一番小さく見えた。
 

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