空にヒバリ 地にスミレ

2026/03/05
- カテゴリ:社長のヒトコト
- 書いた人:由良 俊也(代表取締役)
うす氷 空にひばり 地にすみれ三月は穏やかな日曜日で始まった。
この日は自治会の奉仕作業「溝はり」があった。
圃場に水を充てるために、用水路の底に溜まった泥を浚う春の慣例行事である。
柔らかな風に頬を撫でられて、しみじみと春の到来をこの身で受け止める。
鋤を握る腕は重くなっても、こんなにのんびりと牧歌的な時間はとても心地よいものだ。
私は試しに「そろそろバーベキューしたいな」と誘ってみた。
それを聴いた者は手を止め、顔を綻ばせ、「ええな」の声を田の畔にころころ転ばせた。
やはりみな同じことを考えているのだと思えば、なんだか笑えてきた。
いつやるかはあらためて花便りに乗せてお知らせしようと私は思う。
ときおり思い出したように小さな音を立てて春風が過ぎていった。
ふとこぼれ落ちる山里の心地よさに気づいて、私は襟元を広げ、冷たい風を招き入れるのだった。
ようやく訪れた春の歩調を確かめるように。








