同期と還暦の旅行にいってきた

2026/03/19
- カテゴリ:社長のヒトコト
- 書いた人:由良 俊也(代表取締役)
学生時代の同期と還暦の記念に旅行した。旅先に選んだのは和歌山県白良浜である。
丹波からクルマを飛ばして、昼休憩を挟んでも四時間とかからない。
けれどもそこは、みぞれが降った丹波の里山とは、まるで大違いの別天地だった。
温暖な気候。空は底抜けに蒼く、光こぼれる白砂青松の海辺の街なのだ。
潮風になぶられて湿った岩場に足元がおぼつかず、ヨタヨタと歩く我々の姿は、いかにも還暦御一行さまの風体だったに違いない。
そんなオヤジの胸を熱く焦がしたのが写真の夕陽だったのだ。
卒業旅行だろうか。
波打ち際ではしゃぐ若い六人のシルエットに、およそ四十年前(…と書いてみて、改めて驚く)の自分達の姿を重ねてみた。
物言わぬ静寂の時間が流れた。
水平線の間際では、夕陽はやけに急ぎ足だった。苦しくて切なくて、受け止めきれない感傷が空と海を柿色に染めた。
歩んできた人生の足取りを夕陽と共に抱きしめて、全きの美しい風景に動けなくなってしまったのだ。
「サザンのバラッド3のジャケットみたいやなあ」
一人のこのセリフによってようやく麻酔から覚めて、さあ宿へ帰ろうと相成った。
言わずもがなに、過ぎし日の想い出を胸にそぞろ歩く。懐かしさが無性に温かい。
そんな風景もまた一つ、我らのかけがえのない記憶となるのだろう。
いい旅行だったと、私は旅の手帖にそっとしたためておこうと思ったのだ。








