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やがて土に還るということ

Staff

今日も古民家検分である。
買うべきか、買わざるべきか?
田舎暮らしに魅せられて、年代物へのリスペクトが高鳴って、そして遂に古民家暮らしに辿り着こうという依頼者の想いは切実だ。

…写真の家は、そこよりもう少し山裾近くに、鎮守の森の枯れ木のようにひっそり建っていたもの。
古民家どころか棲家といった風合いだ。

草に埋もれて、やがて土に帰ることを約束されたようなたたずまい。

この家にはどんな暮らしが営まれていたんだろうか?
まるで民話の挿し絵のように、純粋な図柄を想像してしまう。

草生きれには秋の夕暮れの匂いが立ち、それはいかにも自然に対する畏怖みたいで、慎ましいものだった。
土に還る。…そんな言葉が頭をよぎった。

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