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ふるさとの紅葉の色は

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今朝、柏原町で地鎮祭を挙げたのは、中学生以来、四十数年ぶりに丹波に復住を決めた施主だった。
 
式中、祝詞を一語一句胸に刻み、何度も何度もうべなうように、小さく頭を垂れた。
 
午前十時。朝の通勤アワーから外れて、古びた商店街は、平日の寒い朝の静けさに包まれている。
 
「もみじを見るなら何処がいいですか」と問われて、私は山南町の石龕寺(せきがんじ)を薦めた。
岩屋山石龕寺は足利尊氏とゆかりの深い名刹だ。
殊に歴史好きの施主なら、ここがいいだろう。
 
「この週末なら見頃じゃないですか」と返答した。
 
ところがその後、夕方になってふと気になってきた。
はたして本当に見頃なのだろうかと。
 
私は篠山の現場の帰り道に、くだんの石龕寺に確認のため立ち寄った。
それが写真の状況だ。
うーん?だ。
 
滴るような真っ赤なもみじとなるのか否か。
 
それは誰も知る由はないはずだ。
知る由はないのだが、いきなり真っ赤な紅葉は、艶やか過ぎて刺激が過ぎる。
むしろ全開の紅葉でない方が良いのかもしれないと、私は思った。
 
なんせ四十数年ぶりの丹波の秋なのだから。
これからゆっくり馴染んでいくところは、秋の紅葉の歩調に似ているのだ。
 

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