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終の棲家の引渡し

Staff

多可町中区の現場が今日で引渡しだった。
 
旧街道筋で、古の商家の面影を色濃く残した、仕舞屋(しもたや)の改修工事である。
 
施主夫婦からすれば終の棲家だ。
退職後に夫婦でじっくり温めてきた特別なプランだった。
 
人生の第二幕では羽休めする時間が上質であるほど風味も豊かになってくる。
…ただ休むだけの話なのだが。
 
ー けれどもその安らかな時間のために、ここまで頑張ってきたんだ ―

主はそんな矜持に胸を焦がしながら、この家の完成を待ったんだと私も思う。
 今日から始まる新たな暮らしがある。
お盆には久しぶりの団欒が待っているそうだ。
風鈴の音が蝉の声に重なって、いかにも夏の夕涼み。
良かった、間に合って!


 
 

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