七夕、お引き渡し。

7月１日からコトスは新年度を迎えている。
去る７日には本年度最初のお引き渡しが、丹波篠山であった。
思えば、２月上旬のこの家の上棟日は折からの寒波に見舞われて、
気温ー５℃という稀にみる寒い日だった。
養生のブルーシートの上には３センチはあったろうか？分厚い氷が張っていた。
寒さにカチカチと歯を震わせながら、大工と作業前の世間話に耽っていたが、
やがてお互いに笑いが込み上げてきた。
人は開き直ると、むしろ笑ってしまうものなんだ。
今でもこの現場に来ると、そのシーンを思い出す。

あれから５か月が過ぎた。くだんの大雨に世間は辟易としているところだ。
私は七夕の夜に、一家が天の川を見上げながら、この新しい家で最初の団欒を過ごすリビングを
想像していたが、どうやらそんなロマンチックな夜は持ち越しとなった。
この日を潮に、我々はひとまず現場を後にする。
住まい手と造り手の家物語の想いは、一旦今日で思い出となるのだが、
夜空の星々の替わりに、コトスの真心を家じゅうのそこかしこに、ちりばめて帰ろうと思う。
感謝の気持ちと、これからもよろしく、の言葉を添えて。