当世住宅事情にもの申す
2025/03/13
- カテゴリ:社長のヒトコト
- 書いた人:由良 俊也(代表取締役)
コロナ禍を経て持家はずいぶん高額になりました。
地元の金融機関の住宅ローン担当者いわく、「ローンのご相談は前年比40%ダウン」とか。
家はそれほど手が出せない買い物になりました。
まだまだ我々の暮らしが潤ったとは言えないのに、むしろ家の価格が市井人の「家がほしい」との想いを、とっとと置き去りにしてしまったのです。
とはいえ諦めきれないこの想い。
解決の糸口は、既成概念の見直しにあるとコトスは考えます。
「家は小さく建てる」と言う発想ですね。
先ず言っておきたいのは日本の家は世界中と比較して小さくない。
この事実は押さえておいてください。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査ではこんな報告が上げられました。
住宅1軒あたりの平均床面積の1位はアメリカで39.7坪。フランスが30.7坪で、
イギリスも29.6坪で続きます。日本は27.8坪ですから目立って狭いわけではないのです。
かつて「日本人はウサギ小屋に住んでいる」と揶揄されたのは、
ほんとは「高性能な集合住宅に住んでいる」の評価を誤訳したものらしいですから、
とんだステレオタイプだったということです。
話を元に戻しましょう。
小さく建てる。それは無駄を省くこと。余計な広さにしないことなのです。
そのためには、
●できれば廊下を作らない
●収納は立体的に考えるとか、そもそもそれほど大切ではない物は外部収納に頼る
●個室は小さく作り、仕切りを少なくして、開放的な間取りにする
そんな工夫が当世家づくりには必要なのです。
できれば30坪以下を目指したいですね。
けれども、もしも将来自分の居場所が欲しくなったら?
その時は(もしゆとりがあったら)小さなぼろ小屋でも建てましょう。
理想は鴨長明の方丈記です。
方丈とは約3メートル四方という意味ですが、この四畳半ほどの粗末な空間で趣味や飲み食い、
あるいは瞑想などに親しみましょう。なんてどうですか?
方丈記に通底しているのは無常感だそうですよ。季節も風景も、そして人も移ろうもの。
幾つになっても揺らめきながら生きているんですよねー。
このあたり、敷地が広い田舎の住宅事情にうまくハマってくるのですよね(^^)