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着工式再開す

Staff

今夜は二十日月夜。
午後5時からは森の舟で着工式だった。

金曜の夜にもかかわらず、工事関係者がたくさん集まってくれた。

施主と施工業者との、ほんの顔合わせが着工式の目的だが、コトスの大工が丹波材で作ったスツールの贈呈や、熱い気持ちの決意表明なんかは、これでなかなかドラマチックなのだ。

式が終わる頃、森の舟に群青色の天蓋がかかった。
夜空の頂きから木の間に溢れ落ちる月影は光の柱となって、息を呑むほど美しいのだ。
私は工事の無事をただ祈るばかりだ。

雨上がりの森の精は嫣然と微笑んで応えてくれる。…今宵もきっとそうだと思う。
 

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