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【R55】田舎家リノベーション見学会

Staff

氷上町の【田舎家リノベーション】
施主は六十代夫婦である。
忙しさに追われて、ここまで大きく手を加えずに過ごした自宅は、築およそ七十年を数えていた。
この一、二年に相次いで退職を迎え、夫婦のどちらからともなく、リフォームの話が食卓の話題になった。

最初に声をかけてもらったのは去年の五月。田植えが落ち着いた頃だったと記憶している。

「けっこうたいへんな仕事になりますよ」

私はためらいがちに言葉を選んだが、どんなに上手く表現しても、大掛かりな工事の内容を伝えきるなんて出来っこないのだ。
それでも夫婦はその目を輝かせていた。
古い工具箱の中身を一つ一つ並べ直すように、一語一句を確かめながら、要望を列挙したのだった。


私は耳を澄ませて聴いていた。
遠い記憶の中のラジオの深夜番組のようでもあるし、古井戸にこんこんと湧き出す、混じり気のない水音のようにもあった。

古家のリノベーションはいつもこんな感じで始まるのだ。
まるでホームドラマみたいな始まり方。
それが【R55】のリノベーション。
夜空の頂きに横たえる三日月も、ほんのりと柔和な耀よいを浮かべつつ、静かに耳を澄まして聞いてくれている。
まもなく田植えのシーズン。ほぼ一年越しだった。

見学会は今度の土日(予約制)。
懐かしい思い出が湧いてきますよ(^^)
 

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