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休息の仕掛けを考える

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氷上町のリノベーション現場。
九月も後半になるというのに、今日も厳しい暑さが続いていた。
外の日盛りから建物内に入ると一瞬目が眩むほどで、容赦がない陽射しに私は閉口したのだった。

…すると、そこに聞こえてくる涼しげな音色があった。
二種類の聞き覚えのあるような、ないような。暑さを和らげ、疲れを癒し、眠気を誘うような不思議な響きだった。

音の正体は土庇の下に掛けられた竹風鈴と、もう一つは無造作に並んだ水瓶に仕組まれた水琴窟だった。

屋根の灯り取りからは、午後三時の太陽光線がプランターを浮かび上がらせ、異彩を放っている。
またそのバランスが絶妙なのだ。

これは達人だなと思った。
脇に置かれた古びたコットンのリクライニングチェアといい、ここの主の上質な休息が目に浮かぶようだった。

 

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