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14歳の未来図

Staff

今年もトライやるウィークのシーズンだ。
14歳の少年少女たちの職業体験。

慣れ親しんだ教室を離れ、勝手の違う大人ばかりの職場ではおそらく戦々恐々の毎日だろう。

それでも中には、自分の未来図の手掛かり見つけだそうとする生徒もあって、挫けず、勇気を振り絞って通ってくる。

今年は女の子がたった一人でその愁嘆場に挑んでいる。
この日はまだ2日目だが、ほんの少し雰囲気に慣れた様子で、卒業後の進路や当面の目標などを、耳を澄ませないと聞こえないほどの小さな声で教えてくれる。
その声は澄みきった空を渡る風の音に似ていた。
毛ばかりの傷もない玉のような14歳の言霊だった。

いつしか旧弊な大人になってしまった私の心のくもりか晴れていくのが分かる。
この子の人生はまだまだ途方もなく長い。
そしてこの空よりも高く蒼く、遥かな成層圏に繋がる未来があるのだ。
がんばれ14歳。

空に溶けていくようなうしろ姿がやけに眩しい。
 

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