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70代からの薪ストーブライフ

Staff

70代夫婦の薪ストーブライフ。

今夜は薪ストーブの着火式。
施主は70代にして、この度リノベーションによる大いなる暮らし方改革を図ったものだ。そのシンボリックなアイテムが薪ストーブだったのだ。

「ちゃんと使えるかな?」
照れ笑いを浮かべる夫に

「私は知らないわよ」
さらりと悪戯っぽく吐き捨てる妻だけれど、ときおりこぼれ落ちる笑顔が、どれだけこの場をやさしく包むことか。

窓の外に広がる夜空には、あまねく星々が永遠に瞬きを繰り返してるみたいだった。
年老いた夫婦はお雛様みたいに肩を並べて、薪ストーブの前でほんのりと影絵になった。

私はお祝いの焼きリンゴを差し出した。
手に抱えきれないやわらかなピアノのBGMが、花のようでも雪のようでもある。
二月の夜のささやかな薪ストーブの風景だ。
 

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