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きよしこの夜

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きよしこの夜

いつの間にかクリスマスイブにチキンを焼くのが私の役目になった。炭を起こしてダッチオーブンで時間をかけて焼き上げる。

日曜日だということで、一家総勢の八人が夕方六時過ぎには食卓に着き、肩をぶつけ合って乾杯した。思い思いに取り皿に取り分けて、食べたいだけ食べるのが今夜の唯一のルールだった。

空には冴え冴えとした半月が漂い、この暖かな空気といい、年の暮れを忘れさせるような穏やかな夜だ。
二千年前の星の降る夜に、ベツレヘムのとある馬小屋で救世主が生まれたんだ。

救いのみ子は 御母のむねに…

母の胸に抱かれてすやすやと眠ったのはこんな夜だったかもしれないと、私は思い耽るのだ。

はるか遠く星が瞬いて、ゆるゆると身体のネジが解けていくのがわかる。
夜がひとしお深くなった。
きよしこの夜。
子どもたちにも今夜無事にプレゼントが届くといいね。
 

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