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青垣町の上棟から

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青垣町応相寺。
ここには2000年頃に開発された住宅分譲地がある。

ここがとてもユニークなのは、住宅地の選定に欠かせない、いわゆる利便性というやつには、ほぼ全くといってもいいほどそっぽを向いてるとこだろう。

ただでさえ人家もまばらな里山で、まるで鬼が大きな熊手で引っ掻いて、えぐり取ったみたいな山肌に、九十九折りの坂道が続いている。

青垣町といえばなかなかの降雪地域だ。しかも山中に忽然と開かれた村だ。
土地の事情を知る人なら、なかなか自らの定住地としては肯きがたいだろうが。

けれどもこの土地に20年も前から惚れ込んで今日、上棟を迎えられたのは生粋の大阪人だった。

雪のことも、虫や獣のことも、呵呵大笑といっこうに気にするそぶりがない。

曰く、星が綺麗なこと、風が格別に気持ちいいこと、とびっきりの素朴な温泉(よふど温泉)がそばにあることは、この場所の何より変え難い魅力なんだと。
目を細めて笑っているのは、空の青さが眩しすぎるからではなさそうだ。

…まったく。
すでに田舎暮らしの奥義を極めたようなこのセリフ。
もちろん薪ストーブの冬も大いなる楽しみなんだとか。

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