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愛しきふるさとの原色

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師走の声を聞き始める頃、ぐっと冷え込む朝まだきがある。
たぶんそれは銀杏の葉が、まるで雪のように降り積もる合図なんだ。
 
ためらいもなく、申し合わせたみたいに、一気呵成と散り始める。
今朝はちょうどそんな朝だった。
 
玉垣に囲まれた小さな境内は、みるみる金色の光が溢れた。
子どもの頃から何十回と見続けたこの光景だけど、それでも私は胸の高鳴りを抑えられない。
 
ふるさとの秋の原色。きらきらと光の音が聞こえる。
丹波の長く厳しい冬の訪れを知らせるのは、こんなにも優しい音なんだ。
冬の寒さをひと時忘れさせるような、物言わぬ静寂の黄金世界だった。
 
おらが村の大銀杏。心踊る晩秋の彩り。これこそ我がふるさとの原色なのだよ。
 

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