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最果ての地、国境の海。

Staff

休暇を取って沖縄県与那国島へ。
​あらかじめホテルと飛行機の予約だけ、特に凝った計画もなく、
​多少のお金と着替え、文庫本二冊だけをバッグに詰めた。

島は一周27㎞。1500人の島民と、放し飼いの150頭の与那国馬が住んでいる。
​レンタルの110㏄のスクーターで、南風に吹かれてゆっくり周っても、
​3時間あれば十分足りる。
ここは最果ての地、国境の海。
道中で雨に打たれても、止んでしまえばそのうち乾いてしまう。
​11月というのに半袖で過ごせ、青々とした海は凪いで、風光明媚な景色と
​のんびりした時間は人のこころを和ませるのだが。

​この島には高校がない。仕事もない。
​これといって目に付く娯楽もない。
​「何もかも消えていくんよ」・・・立ち寄った蕎麦屋のおばさんが嘆いていた。

​ここは最果ての地、孤独の海。もう誰も時計の針を戻せない。
空が青ければ青いほど、海が広ければ広いほど、かえって侘しさがいや増してくるのだ。

 

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